東京都の「ディーゼル車NO作戦」5つの提案
【1】都内では、ディーゼル乗用車には乗らない、買わない、売らない
・近年、窒素酸化物ではガソリン車の約3倍の排出量があるディーゼル乗用車の増加が著しい。
・提案の趣旨は、都民等が新たに乗用車(RV車等を含む)を購入し、または、現在、使用している乗用車を買換えるときには、ディーゼル車より環境負荷の少ないガソリン車等の選択を求めるものである。
・同じ趣旨から、自動車販売業者に対しても「ディーゼル乗用車は出来るだけ売らないこと」について協力を求めるものである。
【2】代替車のある業務用ディーゼル車は、ガソリン車などへの代替を義務づけ
・提案の趣旨は、事業者が、現在、使用しているディーゼル貨物車のうち、代替が可能な小型貨物車(車両総重量3.5t以下、積載重量2t以下程度の車両)については、窒素酸化物や黒煙の排出が少ないガソリン車やLPG車、天然ガス車等への転換を求めるものである。
・ディーゼル車をガソリン車やLPG車、天燃ガス車等に転換する場合、新たに転換費用や燃料費アップ等のコストが生じるが、このコスト上昇分を自動車の保有者だけでなく、サービスの利用者である都民も含め広く分担する合意形成が求められる。
【3】排ガス浄化装置の開発を急ぎ、ディーゼル車への装着を義務づけ
・大型ディーゼル車については、窒素酸化物や浮遊粒子状物質などの環境への負荷が大きいが、現時点ではガソリン車等の代替すべき車両が存在しておらず、また、排ガス浄化装置等の開発も進んでいないため、これを促進する必要がある。
・都は、ディーゼル微粒子除去装置(DPF)の実用化について、開発した民間研究期間と共同で実施し、使用過程車等に普及させる。
【4】軽油をガソリンよりも安くている優遇税制を是正
・一般的に軽油は、ガソリンに比べ税制面で優遇を受けており、制度上国の承認を得なければ改正することができない。
・提案の趣旨は、ディーゼル車の燃料である軽油に対して課される軽油引取税と、ガソリンに対して課される揮発油税や地方道路税の税率を、燃費べ一スでも実質的に差がなくなるような改正を行うよう、国に求めていくものである。
【5】ディーゼル車排ガスの新長期規制(平成19年目途)をクリアする車の早期開発により、規制の前倒しを可能に
・ディーゼル車に対する排出ガス規制は、平成14年からの新短期規制と、19年を目途とする新長期規制が中央環境審議会の答申で示されている。
・提案の趣旨は、国の排出ガス規制を先取りした車の供給が平成19年の新長期規制を待たずに早期に実現するよう、国や自動車メー力一に求めていくものである。
東京都の「ディーゼル車NO作戦」10のアクション
【1】インターネット討論会「ディーゼル、Yes or No」の実施
 東京都におけるディーゼル車の利用と対策のあり方について、インターネット上での議論を交わす討論会「ディーゼル、Yes or No」を環境保全局のホームページで行う。討論参加者の発言は、誹謗中傷・公序良俗違反などにあたるものをのぞき、全てそのまま掲載する。国や地方自治体のホームページ上でのこうしたオープンな討論会の開催は、我が国では初めての試み。インターネット討論会は9月中旬から開始の予定で、詳細は、環境保全局ホームページ(http://www.kankyo.metro.tokyo.jp)をどうぞ。
【2】オフライン討論会「激論:ディーゼル車をどうする!(仮題))」の開催
 インターネット討論会に引き続き、環境NGO、事業者、都民、行政担当者などの参加によるオフライン討論会を、10月中に実施する(討論会の詳細は、追ってお知らせする)。
【3】「ディーゼル車NO!グリーンペーパー」の連続発行
 議論の素材となる「グリーンペーパー」をパソコン用ファイル(パワーポイント形式)とリーフレットの形で順次発行する。第一弾「脅かされる健康:つくられた経済性」を8月27日発行した。パソコン用ファイルは、8月27日より環境保全局ホームページで入手できる。また、CDでも提供する。
【4】大気汚染地図情報システムのインターネットでの公開開始
 東京の大気汚染の状況を、インターネットにより、ほぼリアルタイムで提供する我が国初の大気汚染地図情報システムを9月21日(火)より公開する。
【5】都庁の使うディーゼル車の代替促進
 「ディーゼル車NO作戦」の率先行動として、代替車種のある知事部局ディーゼル車のうち40台を、今回、緊急にガソリン車に買い替える。
【6】ディーゼル微粒子除去装置の共同開発の実施
 ディーゼル車の排ガスから黒煙などを除去するディーゼル微粒子除去装置(DPF)の実用化をめざす共同開発を、本年度、 いすゞセラミックス研究所とともに行う。
【7】グリーン配送アンケートの実施
 都庁舎、都の事業所等への配送にディーゼル車を使わない「グリーン配送」の実施をめざし、都庁への全納入業者(数千社)を対象とかる大規模な「グリーン配送アンケート」を実施する(9月中に実施予定)。
【8】「ディーゼル黒煙NO!アクションライン」の開設
 皆さんから、黒煙を出すディーゼル車の目撃情報を、携帯電話や電子メール、またはFAXで通報していただく「ディーゼル黒煙NO!アクションライン」を開設する。寄せられた情報に基づき、所有者へ注文文書を送付し、改善をうながす。
【9】沿道ウォークツアーの実施
 都内幹線道路ぞいの大気汚染の実態を体験し、汚染対策の現状を紹介する「沿道ウォークツアー」を実施する(10月実施予定。詳細は決まり次第発表)。
【10】低公害な自動車普及のための低利融資あっせんの実施
 ディーゼル貨物自動車から、ガソリン車など、より低公害な自動車へ買い替えるための低利融資あっせんを実施するとともに、10月1日からは、ハイブリッド乗用車を購入する都民の方への購入資金の低利融資あっせんも開始する。